Episode 4

%E5%86%99%E7%9C%9F%202021-01-26%2016%202
受け止めてもらう経験の大きさ
写真 2021-01-27 8 25 37.png

子どもの頃から好奇心・探求心旺盛だった僕は「変わり者」「変だ」と言われ続けてきた。

 

「なんで?」
「なんで?」
「なんで?」

 

と、ことあるごとに質問をする子どもだったのだ。

 

「なんでそういう質問するの?」
「質問ばかりうるさいなあ」

 

と、家族や先生から言われることが、日常茶飯事だった。
僕からすると、どうして質問の意図が大人たちに伝わらないのか不思議で仕方なかった。

 

思春期を迎えると

 

「僕が変なのかもしれない」

 

と、悩むようになり、気持ちや意見を言葉にすることが徐々に減っていった。

 

イップスにより思うように野球ができなくなっていったのは、そんな日常の悩みも大きく作用していたかもしれない。


 

そんな僕の悩みが吹っ切れたのは、大学1年生の頃。

当時トレーナーとして仕事していたジムの会員に、とある高名な画家がいた。
インクの染みがついた服を着て、いつも決まった時間にやってくる彼は、ひょうひょうとした独特な雰囲気を感じさせる人だった。

 

「お前さぁ。お前、いいぞ!」

 

ある日突然、彼は僕に言う。
そこから彼との交流が始まった。

 

僕が日々疑問に思うことを話すと、彼はそのすべてに納得のいく答えをくれた。
それは僕にとって人生初の体験だった。

 

「どうして僕の意見や疑問が分かるんですか?」
「簡単なことだよ。俺もお前と同じことを考えたことがあるからさ」

 

(僕と同じ感覚の人がいた…僕は、僕のままで良かったんだ…!!)

 

どこまでも続く砂漠でオアシスを見つけたような、大きな喜びがこみ上げてくる。
どこまでも自分らしい道を究めていこう、と心が決まった。

 

その後も僕は、自分の感覚を分かち合える人と何人も出会うことになる。
僕が尊敬する人たちやあこがれる先輩たちに、そういう人が多かった。
そのことが、僕の自信を深めてくれた。

時間が経ち、やがて僕は走り革命理論を体系化していく。
それを成し遂げさせてくれたのは

「なんで?」
「どうして?」
「どうすればいい?」

 

という、小さい頃からの好奇心と探求心に他ならない。

 

自分自身の性質を大事にしていいことはもちろんだが、この体験を通して僕は、

「分かってくれる誰か、肯定してくれる誰かがいる」ということの大きさを知った。

 

自分に自信を持てていないままであれば、こんなに粘り強く足の速くなる方法を探し続けることは出来なかっただろう。
僕が諦めずにここまでやってこれたのは、自分のことを理解し、肯定的に受け止めてくれる人たちと出会えたおかげだ。

 

走りの学校では、僕の恩人が僕にくれたバトンも引き継いでいきたい。
「走り」と向き合う時間を、君自身の感性や価値観に自信を持つ時間にしていこう。

 

僕たちも、そのためにできることを日々考え、実践していくから。

 

和田賢一