Episode 11

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比べる相手は…
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「あの人はもうできているのに、自分はまだこんなこともできない」

 

そんなふうに劣等感を抱き、自分が嫌になってしまうことはないだろうか?

僕はある。

 

僕はアスリートだから、自分の限界を超えるために日々試行錯誤しながら、地道なトレーニングを重ねている。

しかし練習場でもジムでも、特定のメニューにおいて自分よりも成果を出している人たちと遭遇する。それが僕の日常だ。

 

僕が頑張ってベンチプレスを100kg上げていた時期、すぐ隣の男性は150kgを持ち上げていた、なんてこともざらにあった。

 

僕が人生をかけて動きやスピードを追求し続けているビーチフラッグについて言えば、世界中の選手たちのほとんどが100mを10秒台で走る。

彼らの速さに追いつきたいあまり練習を頑張りすぎてケガをしてしまった経験は、一度や二度ではない。

 

他人と比較すればするほど、言い換えれば「他人軸」で考えれば考えるほど成果が出ずに行き詰まる悪循環を、何度も味わってきた。

 

僕がそこを抜け出せた要因として、練習メニューや思ったことをノートに書きつづっていたことが大きかった。

 

ノートを読むと、2年前の自分、1年前の自分、半年前の自分のことを思い出す。

過去の自分自身と比較することで自分を基準とした「自分軸」が育まれていく。

 

そして適切な努力を積み重ねていたらその分だけ成長していて、当時の自分よりできることが増えていることに気づいたんだ。

成長を感じられて、ビーチフラッグスや走りを通して感じることはますます深まり、心の感度が上がっていった。それは人生全体の感じ方にも大きく影響した。

子ども時代には理解されなかった僕の疑問たちに対しても、自分自身でより納得できる答えを見つけ出せるようになった。

スポーツにとどまらず、自分の考え方や感覚にもっと自信を持てるようになったんだ。

 

過去の自分自身と比較し、向き合うことで、自分の中の世界は静かに深まっていく。

それによりぐんぐんと天に向かって伸びていく、竹のようにしなやかな自分軸ができていくことを知った。

もちろん、誰かと比べて自信をなくすことは今でもある。

それでも、自分軸にいつでも立ち戻れるようになった。

そのことは間違いなく、トレーニングや人生そのものの質を深めてくれている。

そう僕は感じているんだ。

 

もし君に、誰かと比べて自信をなくすことがあったら、何度でもこの手紙を読み返してほしい。

足が速くなることには、楽な近道はない。

でも、正確なトレーニングを重ねた先で、君の足は過去の君よりも確実に速くなっていく。

 

自分の成長に気付き、それを励みに君自身の最高の可能性に向かって練習を続けて行こう。

こんなことを言っているけれど、僕だってまだまだ走りのチャレンジャーであり人生のチャレンジャーだ。

君とともに走り、君に秘められた無限の可能性を信じて応援し続けるよ。

和田賢一
 

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