Episode 1

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「どうして速く走りたい?」
君の願いを育もう。
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子どものころから、走るのが好きだった。

「速く走れるって、かっこいいなあ」

そんな純粋な憧れが、いつも心の中にあった。

野球に打ち込んでからは、試合で活躍するために足の速さを求めた。
ファインプレーをして、選手として認められたかった。

そして様々なスポーツを経てライフセービング競技であるビーチフラッグスに出会った。
ライフセーバーの人命救助には、一刻も早い対処が必要とされた。

 

溺れている人や熱中症の人のところまで、監視台からどれだけ速く駆け付けられるか。
その速さはそのまま、救われるべき命の分かれ目になった。

1秒速く走れることで、救われる命がどれだけ増えるのだろう。

 

RUN FAST, SAVE LIVES.

 

それが、僕の新しい挑戦となった。

 

僕がビーチフラッグスというライフセービング競技で世界一を目指すのは、
世界で一番人を救える人間になるため。

 

速く走ることは、個人の欲求からヴィジョンへと変わっていった。

 

「世界一」という志を抱き、走り続けること。
僕にとってそれは、人生を最後まで走り抜くことを意味する。

「あなたのチャレンジする姿に、勇気をもらえました」

 

やがて、そんな嬉しい言葉を受け取るようになった。

 

ー僕がもっと速く走れるようになること。それが、誰かの勇気につながるなんて。

その時僕は、心の奥底にある何かが、確かに満たされた心地がした。

いくら頑張っても、いくら結果を出しても決して満たされなかったその切なさは行方を見失い、見つける事を諦めていた大好きなパズルの一欠片とよく似ていた。
僕はそれをよく、ズボンのポケットの中で偶然に見つけたのであった。

人生という、自分を探求し続ける壮大なパズル。

「自分が一生懸命に行ったことが、誰かの役に立っていた」

という実感が、最後のピースとしてカチッとはまった。

僕は、特別な人間ではない。
器用とは言えない僕が誰かの勇気になれたということは、誰もが誰かを勇気づける存在になれるということだ。

 

勇気のバトンパス。
それが、自分の大好きな走りをとおして僕がやっていきたいことだ。

だから僕は、君が走りの学校に入学してくれたことが心から嬉しい。
入学してくれて、本当にありがとう。

君がもっと速く走りたいのは、どうしてだろう。


速く走れたら気持ちいいから?
大好きな人に認められたいから?
ライバルに勝ちたいから?
モテたいから?

どんな理由でも、君が心に願いを持っていることは、とても素晴らしいことなんだ。
それは自分自身の人生に、キラキラとした可能性を見いだせているということだから。

走りを通して自分と向き合った経験は、君の人生を豊かにしてくれる。
走りを通して積み重ねたトライ&エラーは、君の人生をさらに輝かせてくれる。

学びが未来に生きるからこそ、走りの「学校」なんだ。
この学校は、先生が偉いわけじゃない。
先生も一緒に成長していく学校なんだ。

足を速くする練習を通して、ともに心を育み、ともに成長していこう。

和田賢一